四谷NOW~ホームページ制作会社 gravity works(グラビティ・ワークス)ブログ

手塚治虫
【手塚治虫のブッダ -赤い砂漠よ!美しく-(2011)】
2011.06.08 (Wed)
「手塚治虫の」とタイトルに記されているので、
どれだけ原作に忠実かが重要なのだが、
原作の2巻くらいまでの部分を、キッチリ映像化していた。

結果としては、原作を意識しすぎて、
シーンとシーンの間が長過ぎたり、
情緒的なシーンが説明ぽくなってしまった。

90分で収まるところを、わざわざ引き延ばして
110分にしてしまった感じだ。

だが、そんな事もそれほど重要ではなく、
何より気になったのは、声優に関することだ。

チャプラ役の堺雅人やシッダルダ役の吉岡秀隆は良い。
ただ、チャプラの父スッドーダナ王を演じた観世清和の演技は、
ヒドイというものではない。

ただのセリフ棒読みのため、エモーショナルなシーンが、
全く感情移入できず、ただただチープな演技が気になって仕方ない。

さらに吉永小百合がチャプラの母親役なのだが、
ナレーションも兼任していて、母親の声とナレーションが同じトーンで
演技しているので、「何か意味があるのか?」と考えていたのだが、
本当にただの兼任してるだけだった・・・。

恐らくビッグネームの起用は、予算を確保するために、
とても重要なのであろうが、結果として作品のクオリティーを
下げてしまっているのは否めない。

とはいえ、戦闘シーンには観るべきところが多く、
意外にも生々しいスペクタクルになっていて、
チャプラがどんどんのし上がっていく様子が
勢い良く語られていて、気持ちよかった。


全3部作として制作されているので、
次回からはどんどん面白くなっていくはずなのだが、
期待していいのだろうか・・・。


ウエダでした。